2025年11月、セレッソ大阪にとって嬉しいニュースがあった。
北野颯太の代表初選出&デビューである。
2023年10月に追った怪我の影響もあり、2024年にはJ1の出場数が18試合に留まった北野だが、2025シーズンでは開幕スタメンに名を連ね、大阪ダービーで2得点を上げる。
勢いはとどまらず、セレッソを牽引する活躍を見せ、ザルツブルクに移籍するとそこでも活躍を続け日本代表に選出。
まさに駆け上がった形。
この北野颯太に影響を受けている同年代も多いだろう。今回はいよいよ大学最終学年を迎える北野世代のセレッソユース出身を何人か紹介する。
クラブユース優勝とプレミアからの降格
セレッソ史上初のプリンス降格
北野颯太は高2からプロ契約を結んでいたため、この時期にはもうユースでプレーしていないが、北野世代が高校3年の代、プレミアリーグから降格するといった残念な結果になった。
2011年の創立からずっとプレミアリーグの座を守り続けていたセレッソU18だったが、この2022年にまさかのプリンスリーグ降格。
夏には日本一を達成

画像出典:JFA
だが、振り返ってみるとこの世代は夏にクラブユース優勝。日本一を達成している。
カップ戦での優勝とリーグ戦の降格。この2面性のある結果は「尖ったスタイル」によるものだろう。この時期のセレッソユースはあえてサイドを広く使わず、中央に密集しその狭いスペースで中央突破を図るというもの。
プレミアリーグではそこの対策をされ勝てなくなっていった印象がある。
ユースの正解とは、、
チームとしての結果が出なくなったものの、このスタイルで育つことに意味はあると考える。
ユース世代の目的はその年代の試合で勝つことではなく、プロに入って活躍できる選手を育成することだ。
このスタイルが成功か失敗かはこれからプロの世界に入っていくであろう、この世代の選手が教えてくれるであろう。
【北野世代】注目の選手たち
それでは本題。北野颯太と同期のユース選手を何人か紹介。
金本毅騎

画像出典:セレッソ大阪
まずはセレッソ大阪に来季からの加入が決定しており、今季も特別指定として登録されている金本だ。
阪南大学に進学後、いきなり開幕スタメンで1年生にして10番も背負う。入学月である4月にはハットトリックも決めている。
勢いそのままに翌年には全国制覇も。
184cmの身長を活かしたダイナミックなFWは来季、セレッソに新しい風を吹かしてくれるのか。楽しみだ。
木下慎之介

画像出典:セレッソ大阪
この世代唯一のユースからの高卒内定。
プレミアリーグWESTで降格チームながら得点王を記録。前述の金本が試合に出たり出なかったりする一方で、木下は圧倒的なエースとしてチームを牽引した。
その実績をぶら下げてトップチームに加入したが、プレミアリーグ最終節で右膝前十字じん帯断裂の怪我を負い、プロ初年度は松葉杖をついた状況でスタートと苦しい立ち上がりに。
さらに追い打ちをかけるように長いリハビリを終えてトレーニング復帰した後に右大腿二頭筋腱損傷の怪我にて手術を強いられる。
2024年はガイナーレ鳥取にレンタルされるも、ブランクが長い影響もあったか、J3でもわずか2試合の出場に留まった。
2025年は関東1部の南葛にレンタル。関東リーグで17試合に出場し11得点を記録。得点王となった。
この世代の中でもトップクラスのポテンシャル。怪我で出遅れた感はあるが今後の期待度は高い。
川合陽

画像出典:ゲキサカ
3年目の今季、名門・明治大学でついに定位置をつかみかけているポリバレントなDFがいる。
ユース時代にはキャプテンとして最終ラインを統率し、クラブユース選手権決勝ではセンターバックながら2得点を奪取。大会MVPに輝き、将来を嘱望される存在だった。
その後、クラブ日本一のキャプテンの肩書きを背負い、名門・明治大学へ進学。しかし待っていたのは厚く高い競争の壁。2年生までは公式戦出場なし。出場機会を求め、ボランチやサイドバックなど複数ポジションにも挑戦しながら地道に実力を磨き続けた。
そして迎えた3年目の今季、ついに出場チャンスを獲得。負傷者の影響もあったとはいえ、持ち味であるポジショニングと状況判断を武器に多くの試合でピッチに立ち、クレバーな守備で存在感を示している。
果たしてこのまま評価を確固たるものにし、セレッソへ帰還する未来はあるのか。
センターバックとしては身長面での課題を抱える一方、その欠点を補う洞察力・予測力をどこまで示せるかが今後のキャリアを左右しそうだ。
末谷誓梧

画像出典:京産大アスレチック
セレッソユースが数多く活躍する京都産業大学のサイドアタッカー。
先日、スウェーデン1部ユールゴーデンにトライアウトするという記事が出回り話題になった。その結果、現時点の契約には至らなかったとのことだが、次の移籍市場で再び接触するという話もでており、大学から直接海外に羽ばたく可能性も高い。
セレッソにも何度か練習参加をしており、練習試合でも得点を記録するなど少なからずインパクトは残しているので、セレッソに加入する未来もあるかもしれない。
伊藤翼

画像出典:ゲキサカ
末谷と同じく京都産業大学で10番を背負い、中盤でタクトを振るうのが伊藤翼だ。
天皇杯では王者となった町田ゼルビア相手にも堂々のプレーを披露し、あと少しのところまで追い詰めた。
24年にはU-20全日本大学選抜にも選ばれており、プロ入りは固い。
一方で173cmと身長があるタイプではなくパパス好みのボランチではないことや、伊藤より下の世代に大型ボランチの石渡ネルソンや久保瑛史がいることから、セレッソ入団の可能性は低いのではないだろうか。
番外編
皿良立輝

画像出典:京産大アスレチック
北野世代より、1つ下の代ではあるがここまで紹介してきたセレッソユースの京都産業大学組では今のセレッソに一番会いそうな選手がこの皿良である。
左利きの技巧派ウインガーで独特なリズムでのボールタッチやパスは町田ゼルビアも苦しめた。
現状、右ウイングが足りていないセレッソ大阪だが、セレッソ帰還を目標として語るレフティーに早めに経験を積ませるのも選択肢の1つではないだろうか。


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